株価は常に変動しますが、時には急な暴落も起こります。初心者や中級者の投資家にとって、こうした局面にどう対応するかが資産形成のカギになります。本記事では「暴落とは何か」「どう対応すべきか」を短く要点を絞って紹介します。
株式市場の暴落とは?過去の例で見る暴落の定義
株式市場の暴落とは、短期間に株価が急落する現象です。たとえば、2008年のリーマン・ショックや2020年のコロナ・ショックでは、株式市場が数週間で大幅に下落しました。
暴落の主な原因は、経済不安、金融危機、自然災害、戦争などです。こうした出来事が投資家の不安を呼び、売りが売りを呼ぶ悪循環が起こります。
しかし過去を振り返れば、株価は時間をかけて必ず回復してきました。暴落は一時的な現象であり、むしろ長期投資家にとっては「安く買えるチャンス」とも言えます。
暴落時の心理的影響と典型的な誤った行動
暴落局面では投資家心理に強い動揺が走ります。自分の資産が急激に目減りすると、初心者に限らず「この世の終わり」のような不安に襲われてしまい、冷静な判断力を失ってしまいがちです。その結果、多くの人が陥りやすい典型的な誤った行動として、狼狽売り(パニック状態での投げ売り)や、積立投資の中断などが挙げられます。
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狼狽売り(パニック売り):暴落に動揺し、株価が下がる中で慌てて持ち株を売却してしまう行動です。しかし感情に駆られて売却すると、高い確率でタイミングを誤り、安値で損失を確定させてしまいます。実際、株価急落の後には数ヶ月〜数年で市場が回復するケースが一般的であり、恐怖心から底値付近で手放してしまうとその後の回復局面の恩恵を受け損ねてしまいます。歴史を振り返ると下がり続けた相場は今までになく、いずれどこかで底打ちして上向きに転じてきました。にもかかわらずパニック売りをしてしまうのは、人間の心理として典型的な失敗パターンなのです。
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積立投資をやめてしまう:毎月コツコツと投資を続ける積立投資は、暴落時であっても中断しないことが大切です。積立投資はドルコスト平均法の効果により、価格が下がった局面では同じ金額でより多くの口数を購入できるため、むしろ将来のリターンを高めるチャンスになります。実際、積立投資をしていれば今回の暴落でさえも「安く買える好機」に変えることができるのです。市場の短期的な変動に惑わされず、淡々と積立を続ける姿勢こそが長期的な資産形成の秘訣と言えます。暴落に驚いて積立を止めてしまうのは非常にもったいない行為です。
その他にも、含み損に耐えられず底値近くであわてて損切りしてしまったり、過剰に信用取引(レバレッジ)で買い向かうことも、初心者が陥りがちなミスです。暴落時ほど感情に左右されず当初の計画を貫くことが求められますが、恐怖心に打ち勝つのは簡単ではありません。
初心者〜中級者が取るべき冷静な対応策
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分散投資でリスク軽減:株式だけでなく、債券や現金など複数の資産を持つことでリスクを抑えられます。
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ディフェンシブ銘柄の活用:景気に左右されにくい業種(食品、医薬品、通信など)の株は、暴落時も値下がりが比較的ゆるやかです。代表例として、KDDI、武田薬品、キッコーマンなどがあります。こうした銘柄を持つことでポートフォリオの安定性が高まります。
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債券の重要性:債券は株と違う値動きをするため、暴落時のリスクヘッジになります。特に国債や格付けの高い社債は安全性が高く、暴落時にも値崩れしにくいのが特徴です。ETFでの分散投資(AGG、BND、日本なら1476や2510など)もおすすめです。
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積立投資の継続:下落時に投資を止めると、安く買えるチャンスを逃します。感情に左右されず、積立を続けることが重要です。
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現金比率の見直し:生活費に影響を与えない範囲で投資すること。暴落時にも余裕をもって対応できます。
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マイルールの設定:あらかじめ「◯%下落したら買い増す」などのルールを作り、感情で動かないようにすることが大切です。
このような対応策を日頃から意識しておけば、暴落時でも冷静に判断し、資産を守る行動が取れるようになります。
暴落をチャンスに!割安局面での長期投資戦略
暴落は怖い反面、優良株を安く買えるチャンスでもあります。普段は手が出せない株が、暴落時には割安になることがあります。将来の成長が見込める企業に投資するなら、価格が下がった今こそ好機です。
ただし、すべての株が「買い時」ではありません。業績が悪化している企業や倒産リスクのある企業は避け、信頼できる銘柄を見極めましょう。
また、買うタイミングにも注意が必要です。底値を読むのはプロでも難しいため、少しずつ買っていく「時間分散」が効果的です。これを「打診買い」とも呼びます。
焦らずに優良株を段階的に買うことで、リスクを抑えつつリターンを狙えます。暴落は、冷静な判断ができる人にとっては絶好の投資機会です。
今すぐできる暴落への備え
暴落に備えるために、平時から以下の準備をしておきましょう。
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情報収集ツールの活用:信頼できる経済ニュースやアプリで相場の動向をチェックしましょう。
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資産配分の見直し:株だけでなく、債券や現金とのバランスを整えましょう。
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緊急資金の確保:生活費の3〜6ヶ月分は現金で確保しておくと安心です。
これらを整えておけば、暴落が来ても慌てることなく対応できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 暴落時、すぐに株を売るべきですか?
A1. 慌てて売るのは避けましょう。相場は回復する可能性が高いため、冷静に状況を見極めることが大切です。
Q2. 積立投資は止めるべきですか?
A2. 続けた方が良いです。安く買えることで将来の利益が増える可能性があります。
Q3. 暴落は予測できますか?
A3. 正確な予測は困難です。暴落が起こる前提で準備しておくのが現実的です。
Q4. 買い増しはした方がいいですか?
A4. 余裕資金があれば少額から分散して買うのが有効です。
Q5. 株価は戻らないこともありますか?
A5. 過去の事例では市場全体は回復してきました。焦らず長期的視点で考えましょう。
まとめ
暴落は避けられないものですが、事前に備えておくことで冷静に対処できます。分散投資、ディフェンシブ銘柄や債券の活用、積立投資の継続など、基本に忠実な行動が資産を守ります。恐れず、しかし慎重に行動することが成功への近道です。これから資産運用を考えられている方は下記の楽天証券のバナーから投資をはじめてみては如何でしょうか?
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