米ミシガン州の年金基金、1,000万ドル超のイーサリアムETFを保有:仮想通貨分野への注目が拡大

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米ミシガン州年金基金が仮想通貨に参入

米ミシガン州の公的年金基金である「ミシガン州退職システム(State of Michigan Retirement System)」が、グレースケールの現物イーサリアムETFへの出資を行ったことが明らかになりました。同年金基金は、イーサリアムに裏付けされたETFの登場以来、最初に投資を行った公的年金基金として注目を集めています。この動きは、米国の州や年金基金が仮想通貨関連商品への投資に対して関心を示していることを象徴しています。


ミシガン州の投資内容:460,000株のイーサリアムETFを保有

ミシガン州退職システムは、最新の13F提出書類においてグレースケールのイーサリアムETF(ティッカーシンボル:ETHE)を460,000株保有し、その評価額は第3四半期末時点で約1,000万ドルに上ることを報告しました。この規模は、同ETFの上位5位に入る大口保有者の一つに該当するほどのものです。また、同年金基金はグレースケールのイーサリアム・ミニ・トラストETFも保有しており、その価値は約110万ドルとされています。


米国の年金基金が仮想通貨に注目する背景

ミシガン州退職システムの動きは他州の年金基金にも波及し、各州が仮想通貨や関連資産への投資を増やす傾向が強まっています。例えば、2023年5月にはウィスコンシン州投資委員会がブラックロックの現物ビットコインETFに約1億ドルを投資していることが報じられました。また、フロリダ州も現在約8億ドルの仮想通貨関連の投資を抱えており、今後さらに増加する可能性があると見られています。

米国の公的機関が仮想通貨関連商品に投資するケースは、2021年以降増加傾向にあります。特に、ミシガン州のような公的年金基金による仮想通貨の導入は、資産運用の多様化やリスク分散の一環とみられており、デジタル資産が従来の投資ポートフォリオに新たな選択肢を提供する存在になりつつあります。


イーサリアムへの投資拡大が示す意義

米ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、「ミシガンの年金基金がイーサリアムETFに投資したことは、イーサリアムにとって大きな勝利である」と指摘しています。同年金基金は、ビットコインETFよりもイーサリアムETFへの投資額が多く、イーサリアムがビットコインの急上昇に対して低調なパフォーマンスを見せているにも関わらず、イーサリアムETFに1,000万ドルの投資を行っている点が注目されています。

この動きは、仮想通貨市場が多くの機関投資家から徐々に受け入れられつつあることを示唆しています。今年初めに発表されたロンドンの資産運用会社Nickel Digitalによる調査によると、仮想通貨にすでに投資している機関投資家や富裕層の資産管理者の74%が、今後さらに投資を拡大する意向を示しています。こうしたデータは、仮想通貨が市場において成長の余地を秘めていることを示しているといえます。


今後の見通し:年金基金による仮想通貨投資の進展

ミシガン州の事例は、米国の他の州や機関投資家が仮想通貨関連商品に対してどのように対応していくかを考える上での重要な前例となるでしょう。仮想通貨市場はボラティリティが高いものの、ビットコインやイーサリアムといった主要通貨への注目は依然として高まっており、特に機関投資家の投資行動に影響を与えています。仮想通貨へのアクセスが容易になる中、年金基金のような長期的視点を持つ投資家が、ポートフォリオの一部として仮想通貨を取り入れる可能性はさらに高まると考えられます。

今後、他の州や年金基金もミシガン州の動向を参考に、仮想通貨やデジタル資産への投資を増やしていく可能性があり、仮想通貨市場の動向に引き続き注目が集まっています。

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