今週、米国のスポットビットコインETF市場では、470億ドルの資金流入が報告され、その中心にブラックロックのIBITがありました。このETFは今週だけで10億7000万ドルの流入を記録し、ビットコイン投資に対する関心の高まりが顕著に見られます。一方、スポットイーサリアムETFも今月最大の流入額を達成し、暗号資産市場全体にポジティブな動きが続いています。
1. ビットコインETFへの資金流入が急増
10月に入り、米国で取引されているスポットビットコインETFは、好調なパフォーマンスを見せています。木曜日には、全体で470億ドルの資金流入があり、そのうち309億ドルはブラックロックのIBITに集中しました。この結果、IBITは今週だけで累計10億7000万ドルの資金を集め、他のETFを大きく引き離しました。これは、2024年3月中旬以来、最も大きな週単位の資金流入となる可能性があります。
他のビットコインETFも好調で、Arkと21Sharesが提供するARKBは木曜日に1億ドルを超える資金流入を記録し、グレースケールのGBTCは4570万ドル、フィデリティのFBTCも1169万ドルの流入が報告されました。一方、フランクリン・テンプルトンのビットコインETFも約388万ドルの流入を記録しています。
2. マクロ経済の影響が資金流入を後押し
ビットコインETFへの急激な資金流入は、世界的なマクロ経済の状況にも支えられています。多くの中央銀行が金利を引き下げる傾向にあり、これにより投資家は伝統的な資産よりもビットコインのような代替資産に注目しています。暗号市場アナリストのレイチェル・ルーカスは、「金利引き下げが暗号資産市場を支える大きな要因であり、これが資金の流入を加速させている」と述べています。
3. ビットコインの価格も安定上昇
ビットコイン自体も1.06%の上昇を見せ、1BTC当たり67,944ドルで取引されています。専門家は、この強い資金流入が今後の価格上昇に向けた前兆であると指摘していますが、新たな史上最高値に達するにはさらなる時間と市場の安定が必要とされています。特に、米国の選挙期間中は市場の変動が予想されるため、慎重な姿勢が求められるでしょう。
4. イーサリアムETFも好調
ビットコインETFの好調な動きと並行して、スポットイーサリアムETFも48億ドルの資金流入を記録しました。これは、9月27日以来最大の日次流入額であり、イーサリアムに対する投資家の関心も高まっていることを示しています。
特に、フィデリティのFETHが3112万ドル、ブラックロックのETHAが2356万ドルの流入を記録し、両ETFが市場をリードしました。グレースケール、Bitwise、インベスコ、21Sharesなども、いずれもプラスの流入を記録しており、イーサリアム市場全体に前向きな兆しが広がっています。
ただし、一部のETFでは引き続き資金流出が見られ、グレースケールのETHEは1,574万ドルの流出が報告されました。しかし、これは全体的なポジティブな流れを大きく崩すものではありません。
5. 今後の見通し
ビットコインETFとイーサリアムETFの資金流入は、中央銀行の政策やマクロ経済の変動に大きく左右されると考えられています。特に金利の低下が投資家に代替資産への投資を促す要因として重要です。今後、ビットコインとイーサリアム市場がどのような方向に進むかについては、引き続き注視する必要がありますが、短期的にはさらなる資金流入が期待されます。
暗号資産市場の成熟が進む中、ビットコインETFの流入額がすでに20億ドルを突破し、金ETFが同じ水準に達するのに5年かかったことを考えると、この分野の成長スピードは非常に速いといえます。投資家にとっては、引き続きポジティブな環境が整っていると言えるでしょう。
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