SCHD、VYM、SPYDの比較:高配当ETFを徹底分析

米国株

高配当ETF(Exchange Traded Fund)は、安定したインカムゲインを目指す投資家にとって人気の選択肢です。この記事では、特に注目されるSCHD、VYM、SPYDという3つの高配当ETFを比較し、それぞれの特徴や投資戦略に最適なETFを見つけるためのポイントを紹介します。

1. 概要と運用目標

まずは、それぞれのETFの概要を簡単に見てみましょう。

項目 SCHD VYM SPYD
正式名称 Schwab U.S. Dividend Equity ETF Vanguard High Dividend Yield ETF SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF
運用会社 Charles Schwab Vanguard State Street
設定日 2011年 2006年 2015年
配当利回り 約3.5% 約3.1% 約4.8%
経費率 0.06% ※1 0.06% 0.07%
投資対象 10年以上連続増配している企業 高配当の大型株を幅広くカバー S&P 500の高配当利回り上位80銘柄
主要セクター 情報技術、ヘルスケア、金融 金融、消費財、エネルギー エネルギー、公益事業、不動産
リターンの特徴 長期的な安定成長、平均年リターン約12% 安定した収益、平均年リターン約9〜10% 高配当だがボラティリティが高い、年リターン約8〜9%

※1 2024年9月から開始する楽天SCHDは、0.192%。


2. パフォーマンスの比較

3つのETFはそれぞれ異なる特徴を持っており、リターンにも差が見られます。

  • SCHDは、安定した配当と長期的な増配が期待できる企業に投資しているため、安定性と成長性を兼ね備えたリターンが特徴です。10年間の平均リターンは約12%と非常に強力で、配当再投資を考えると長期的な資産形成に向いています。

  • VYMは、バリュー株中心の投資を行っており、リターンはSCHDにやや劣るものの、約9〜10%の平均リターンを維持しています。長期的な資産成長に加えて、安定した配当収入も得られる点が魅力です。

  • SPYDは、特に高配当を目指す投資家にとって魅力的です。配当利回りが他の2つに比べて高い反面、価格変動リスクが大きく、特に2020年のパンデミック時には大きな下落を経験しています。5年リターンは約8〜9%ですが、ボラティリティが高いためリスク許容度の高い投資家に適しています。


3. セクター分散とリスク分析

各ETFがどのようなセクターに分散しているかも重要な比較ポイントです。

  • SCHDは、情報技術、ヘルスケア、金融といった主要セクターにバランスよく分散されています。特に、連続増配企業を多く含んでいるため、安定したキャッシュフローと成長が期待できます。

  • VYMは、金融、消費財、エネルギーといった比較的ディフェンシブなセクターに強い特徴があります。特にバリュー株を重視するため、景気後退時でも比較的安定したパフォーマンスを発揮する可能性があります。

  • SPYDは、エネルギー、公益事業、不動産といった高配当利回りを提供するセクターに偏っています。このため、景気敏感なセクターに対するエクスポージャーが大きく、経済の波に影響されやすいです。


4. どのETFが最適か?

  • 安定した長期成長を求めるなら、SCHDがベストチョイスです。増配実績がある企業を中心にしているため、成長性と安定性のバランスが取れています。

  • バリュー株に強い関心があり、安定した配当収入を望むなら、VYMが適しています。特に経済の安定期に強いポートフォリオを構築している点が魅力です。

  • 高配当利回りを優先し、短期的なキャッシュフローを重視する投資家には、SPYDが最も適しています。ただし、ボラティリティが高いので、市場の下落局面には注意が必要です。


まとめ

高配当ETFを選ぶ際には、配当利回りだけでなく、リスクやリターン、セクター分散のバランスを考慮することが重要です。SCHDは、安定した長期成長と増配実績に優れ、VYMは、バリュー株への分散投資が魅力的です。SPYDは、リスクを取って高配当を狙いたい投資家に向いています。それぞれのETFが持つ特徴を理解し、自分の投資目標やリスク許容度に合った選択をすることが成功の鍵です。

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