AppleがGoogleのカスタムチップでAIモデルを訓練

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Appleが自社のAIシステム「Apple Intelligence」を支えるAIモデルの訓練にGoogleのカスタムチップを利用していることが明らかになりました。この動きは、ビッグテック企業がNvidiaのグラフィックス処理ユニット(GPU)に代わる選択肢を模索していることを示しています。

GoogleのTPUを採用した背景

Appleが選んだのは、Googleが設計したTensor Processing Unit(TPU)です。GoogleのTPUは、当初内部用途向けに開発されましたが、現在では外部にも提供されるようになっています。Appleは最近発表した技術文書で、AIモデル「Apple Foundation Model(AFM)」と「AFMサーバー」が「Cloud TPUクラスタ」で訓練されたと述べています。これは、Appleがクラウドプロバイダーからサーバーをレンタルして計算を行ったことを意味します。

Apple Intelligenceの新機能

Apple Intelligenceには、Siriの刷新、自然言語処理の向上、テキストフィールドでのAI生成サマリーなど、いくつかの新機能が含まれています。今後1年間で、画像生成、絵文字生成、そしてユーザーの個人情報にアクセスしてアプリ内でアクションを実行する強化版Siriなど、生成AIに基づいた機能が追加される予定です。

ビッグテックのAIチップ戦略

NvidiaのGPUは高性能なAIトレーニングチップの市場を支配していますが、その高価格と需要の高さから、必要な量を調達するのが難しい状況が続いています。OpenAI、Microsoft、Anthropicなどの企業がNvidiaのGPUを使用している一方、Google、Meta、Oracle、TeslaなどもAIシステムの構築にNvidiaの技術を利用しています。

MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグとAlphabetのCEOであるスンダー・ピチャイは、先週のコメントで、AIインフラへの投資が過剰になる可能性を認めながらも、そうしないリスクが高すぎると述べました。「遅れを取ると、今後10〜15年間で最も重要な技術に対して位置づけが悪くなる」とザッカーバーグは述べています。

Appleのプライバシー対策

Appleは、プライバシーとセキュリティを重視し、Apple Intelligenceの多くのモデルをデバイス上で処理する設計としています。複雑なリクエストに対しては、Appleのサーバー上で計算を行うことで対応し、ユーザーデータの保護を強化しています。Appleの「プライベートクラウドコンピュート」システムは、ユーザーの個人データをAppleを含む第三者がアクセスできないように設計されています​。

結論

AppleがGoogleのTPUを利用してAIモデルを訓練する決定は、ビッグテック企業がNvidiaのGPUに代わる選択肢を模索していることを示す一例です。Apple Intelligenceの導入により、AppleはAI分野での競争力を強化し、ユーザーに対してより高度なAI機能を提供することを目指しています。

参考文献:

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