米国選挙の結果を受け、トランプ次期政権がもたらす仮想通貨規制緩和を期待する中、調査会社バーンスタインのアナリストは、仮想通貨市場への積極的な投資を推奨しています。同社のアナリスト、ゴータム・チュガニ氏は「仮想通貨のブル市場にようこそ。今すぐ買い始めるべきだ」と述べ、仮想通貨市場の急激な成長に対する期待を示しました。
規制緩和の可能性とビットコインの新たな歴史的高値
トランプ氏が勝利を収めたことで、仮想通貨市場は急上昇しています。ビットコインは先週、新たな歴史的高値である80,000ドルを突破し、投資家の注目を集めています。これまで規制の不透明さから仮想通貨への投資を避けてきた人々に対し、バーンスタインは「規制に対する懸念は払拭される」として、仮想通貨業界への参入を強く推奨しています。
チュガニ氏は、特にビットコインとイーサリアムのスポットETF(上場投資信託)、仮想通貨関連の企業や取引所を通じた市場参入の可能性を強調しました。同時に、米国証券取引委員会(SEC)もトランプ政権下で仮想通貨に対する規制を緩和する可能性があり、今後数年間にわたって業界の成長が促進されると見込んでいます。
トランプ政権の仮想通貨政策と支持者の動向
トランプ氏は選挙キャンペーン中に「ビットコインの国家準備の確立」や「仮想通貨に対する規制の終了」を公約に掲げており、仮想通貨市場に対する好意的な姿勢を示してきました。このビジョンが実現するかは議会の承認が必要なため、実際の政策として具現化するには時間がかかると見られています。しかし、方向性としてはビットコインが企業や政府機関の財務資産として認知され、今後さらなる需要拡大が見込まれます。
また、トランプ陣営の支持者には、ビットコインに肯定的な姿勢を持つ政治家やビジネスリーダーが多く、特に次期副大統領JDバンス氏、政権移行チームのメンバーであるRFKジュニア氏、ビベク・ラマスワミ氏らがビットコインの保有や支持を公言しています。シリコンバレーの著名な支持者にはa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)やデイビッド・サックス氏が含まれ、仮想通貨業界は選挙キャンペーンに約1億3千万ドルの資金を投入し、支持基盤を強化しています。
仮想通貨への投資手段とおすすめ資産
バーンスタインは投資家が仮想通貨市場に参入するための手段として、以下のような選択肢を挙げています。
- 仮想通貨ETF: 特にビットコインとイーサリアムのスポットETFが注目されています。
- ビットコイン関連株式: 公開ビットコインマイナーのRiotやCore Scientific、AI分野と連携するIRENやCleanSparkが候補として挙げられています。
- ビットコインを保有する企業: マイクロストラテジーのようにビットコインを企業財務として保有する企業の株式。
- 仮想通貨取引所: ロビンフッドやコインベースといった仮想通貨取引所の株式。
また、直接仮想通貨を購入することが可能な投資家には、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、オプティミズム(OP)、アービトラム(ARB)、ポルカドット(POL)、ユニスワップ(UNI)、AAVE、チェーンリンク(LINK)といった銘柄が推奨されています。
長期的な成長期待と価格予測
バーンスタインは2025年末までにビットコイン価格が200,000ドルに達する可能性を見込んでいます。現在の価格(約81,000ドル)からの大幅な上昇が見込まれるため、今後12か月間においても投資リスクに対するリターンは依然として有望だとしています。
ビットコイン戦略備蓄の可能性とグローバルな展望
米国においてビットコインの国家戦略備蓄が検討される中、バーンスタインは世界第5位の経済大国であるインドに対しても、ビットコイン政策を含む国家的な仮想通貨政策を推進するように呼びかけています。このように、今後仮想通貨は国家や企業の財務資産としての役割を担い、より広範な利用が期待されています。
ビットコインの価格は現在、82,054ドルで取引され、今年だけで94%の上昇を見せています。また、トップ30の仮想通貨を代表するGMCI 30指数も年間で54%上昇しており、仮想通貨市場全体の成長が顕著に表れています。
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