結論
2025年分(2025/1/1〜12/31)の暗号資産の利益は、原則「雑所得」扱いで総合課税。
売却だけでなく、他コインへの交換や決済(商品購入)でも利益確定とみなされ課税対象。
会社員の方は、給与以外の所得合計が年間20万円超なら原則として確定申告が必要。
そして実務でいちばん詰まりやすいのが「損益計算」。
取引回数が増えるほど手計算はほぼ無理ゲーなので、
Cryptact(クリプタクト)で取引履歴を取り込んで損益を自動計算 → 申告用レポートを作るのが現実的です。
なお、資産形成は仮想通貨だけに偏らせないのが鉄則。
税金まわりの整理がついたら、NISA対応のネット証券口座も合わせて用意しておくと投資の選択肢が一気に広がります(参照:初心者向けS&P500投資法)。
仮想通貨(暗号資産)に税金はかかる?基本ポイント
暗号資産で利益が出た場合、個人は原則として所得税の「雑所得」として扱われ、
給与など他の所得と合算する総合課税になります。※2025年12月時点
税率は所得に応じて上がり、所得税は5%〜45%(住民税は別途)です。
さらに所得税には復興特別所得税(所得税額×2.1%)が上乗せされます。
最大税率イメージ(高所得帯)
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所得税45% × 1.021(復興税)= 45.945%
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住民税10%を足すと 合計55.945%(目安)
課税対象になるタイミング(ここが落とし穴)
暗号資産は「円に換金したとき」だけでなく、次のタイミングで課税関係が生じます。
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売却(円に換金):利益が出れば課税
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他の暗号資産に交換:交換時点で“譲渡”扱いになり、交換元の含み益に課税
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暗号資産で商品・サービス購入:支払いに使った暗号資産を“譲渡”した扱いになり課税
逆に、自分のウォレット間の移動や保有しているだけ(評価益)は、基本的に利益確定ではないため課税対象にならない(実現取引がないため)。
暗号資産の課税/非課税 早見表(2025年版)
| ケース | 課税関係 | ポイント |
|---|---|---|
| 円に売却(現金化) | 課税 | 売却価額−取得価額が利益 |
| 他の仮想通貨へ交換 | 課税 | 交換時点で譲渡扱い |
| 決済に使う(買い物) | 課税 | 支払い=譲渡扱い |
| 自分のウォレット間送金 | 原則非課税 | “移動しただけ” |
| 含み益・含み損(未実現) | 原則非課税 | 売ってないなら基本課税なし |
| 暗号資産で損失が出た | 取扱い注意 | 他の所得との損益通算は基本不可 |
仮想通貨の利益計算の基本(手計算が崩壊する理由)
利益の基本式はシンプルです。
利益=収入金額(売却額など)−取得費(購入額)−必要経費(手数料など)
ただし現実は、
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取引所が複数
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交換取引が多い(BTC→ETH→SOL…)
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手数料がコイン払い
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DeFiやレンディングなど種類が多い
で、計算が一気に地獄になります。
具体例:BTCでアルトコインを買う取引は、税務上「BTCをいったん売った」と同じ扱いになりやすいのが要注意。
SOLなどのアルトコインの買い方は別記事で手順をまとめています
(参照:Solana(SOL)の買い方)。
取得価額は「総平均法」か「移動平均法」
暗号資産の評価方法(取得価額の出し方)は、基本的に総平均法/移動平均法の考え方が使われます。個人は、所定の届出をしない場合は総平均法になる整理が示されています。
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総平均法:1年の購入総額 ÷ 購入数量
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移動平均法:購入のたびに平均単価を更新
どっちを使うにせよ、取引が多いほど「自動でやってくれる仕組み」がほぼ必須。
確定申告が必要なケース/不要なケース(20万円ルールの注意点)
会社員(給与所得者)の基本
給与所得者は、一定の要件で確定申告が必要。
一般的に「給与以外の所得が20万円超」ラインが目安として扱われます
(※医療費控除など別理由で申告する場合は、20万円以下でも申告に含める必要が出ます)。
専業・個人事業主は?
事業として継続的に行っているか等で所得区分が変わる余地があります。迷う場合は、国税庁情報と税理士確認が安全です。
確定申告のやり方(最短ルート)
流れはこれだけです。
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取引履歴を全部集める(国内・海外取引所、ウォレット、DeFi含む)
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年間損益を計算する(円換算・手数料反映・平均単価)
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確定申告書に「雑所得」として入力(e-Taxがラク)
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提出・納税
まずは取引所を整える(初心者向け)
これから口座開設する人は、国内取引所の使い方を先に固めるとミスが減ります。
(内部リンク:Coincheck(コインチェック)の購入ガイド)
暗号資産で“やりがちミス”7選(対策つき)
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交換取引を申告から漏らす(BTC→ETH等)→「売却と同じ扱い」を前提に記録
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決済(買い物)を見落とす→ 少額でも積み重なる
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複数取引所の集計漏れ→ 年間損益は合算が基本
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手数料の反映漏れ→ 経費性の確認・記録
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円換算レートの根拠がない→ レートの取得元を残す
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損失を“他の所得”と相殺できると思い込む→ 原則できない
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税金分を残さず使う→ 利益が出たら納税用資金を先に確保
【2025年12月】2026年度以降の「分離課税20%」はどうなる?
2025年12月時点では、暗号資産の所得は原則「雑所得・総合課税」ですが、2026年度税制改正大綱の流れとして、一定の暗号資産取引を分離課税(税率20.315%)にする方向や、損失の繰越控除(3年)が報じられています。
「いつから」「どの範囲が対象か」が実務上のポイント
よくある質問Q&A
Q1. 仮想通貨の利益はいくらから確定申告が必要?
給与所得者は、国税庁の案内する要件に該当する場合に確定申告が必要です。一般的に給与以外の所得20万円超が目安として扱われます。
Q2. 仮想通貨同士の交換にも税金がかかる?
かかります。交換時に譲渡扱いになります。
Q3. 仮想通貨で買い物したら?
支払いに使った暗号資産の譲渡として扱われ、利益が出ていれば課税対象です。
Q4. いくら税率がかかる?
所得税は5%〜45%(別途住民税等)で、復興特別所得税も上乗せされます。
Q5. 損したら税金は?
税金が発生しない場合もありますが、暗号資産の損失は他の所得と損益通算できない扱いが示されています。
Q6. 計算方法(総平均法・移動平均法)はどう選ぶ?
個人は届出の有無などで扱いが整理されています。届出や継続適用が絡むので、国税庁情報の確認が必須です。
Q7. 取引所が複数でも申告は1つ?
所得は合算して申告するのが基本。取引履歴の取りこぼしが最大のリスクです。
Q8. DeFiはどうする?
取引類型が多く、円換算や区分が難しくなるので、履歴の取得と分類ができるツール/専門家活用が現実的です。
Q9. 2026年から20%分離課税になる?
方向性として報道・解説が出ていますが、対象範囲・開始時期などは制度整備が前提です。
Q10. 一番ラクなやり方は?
「履歴収集→ツールで損益→申告に転記」が最短です。
【PR】損益計算ツールは“クリプタクト”が刺さる
手計算が破綻しやすい暗号資産の確定申告は、
Cryptact(クリプタクト)で取引履歴を取り込んで自動計算→申告用レポート出力が王道です。
クリプタクトを推す理由
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複数取引所・複数ウォレットの損益計算をまとめやすい
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年間損益のレポート作成まで進めやすい
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「交換・決済」みたいな見落としポイントを潰しやすい(=申告漏れリスクを下げやすい)
※ツールはあくまで計算補助。最終的な申告責任は本人にあるので、レポートを最後に目視チェックするのが安全。
まとめ:今日やるべきこと(2025年版)
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課税は「売却」だけじゃない。交換・決済でも課税
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会社員は原則「給与以外の所得20万円超」ラインを意識
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平均単価・円換算・手数料反映が鬼門 → ツール前提で進める
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2026年以降の分離課税の動きあり。今後の動向をチェック。
最後に、税金対応が落ち着いたら「資産形成の柱」を増やすのがおすすめです。仮想通貨一本足だとブレが大きいので、NISA対応のネット証券口座+インデックス投資もセットで検討してみてください(内部リンク:初心者向けS&P500投資法)。
免責事項(ディスクレーマー)
本記事は一般的な情報提供を目的としており、税務上の助言ではありません。暗号資産の税務は取引内容・所得状況により取り扱いが異なる場合があります。必ず国税庁等の一次情報を確認し、必要に応じて税務署または税理士にご相談ください。

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